『発達障害と間違われる子どもたち』

 最近、書店で発達障害に関する書籍を多く目にします。どれも興味深いものですが、先日『発達障害と間違われる子どもたち』(成田奈緒子著)という本が書店の売れ筋ランキング1位になっていて、購入し、読んでみました。

 著者の成田奈緒子先生は、小児科医として長年発達障害者支援センターでの勤務や児童相談所での嘱託医などを通して、多くの発達障害の子どもたちの脳の研究をされてきた方です。その中で、近年「診断がつかないのに、発達障害と見分けのつかない症候を見せる」子どもたちが多く見られるようになっているとのことでした。これを成田先生は“発達障害もどき”と定義しています。もちろん“発達障害もどき”は正式な医学用語ではありません。ただとても理解しやすいと私は思いました。

 この“発達障害もどき”には、環境が大きく影響しているとのことでした。環境というのは、家庭環境だけではありません(環境のせいだと言われて今まで傷ついた経験のあるご家族、特に保護者の方は多いのではないかと思います)。生活のリズムも含まれます。そしてこの生活のリズムを整える事、つまり生活改善こそが“発達障害もどき”には最も重要だと書かれていました。生活改善によって脳の発達が大きく改善されるからです。脳は何歳からでもつくり直せるそうです。また、とてもわかりやすい生活改善のための3つのポイントが提示されていました。

 1.朝日を浴びる

 2.十分に眠る

 3.規則正しい時間に食べる

要するに、規則正しい生活を送る、ということです。

そうは言っても忙しい毎日の中で子どもたちにこれを実践させるのは、なかなか難しい事かもしれません。

“発達障害もどき”を脱するために、できる限り、例えばこの3つのうちまずはどれか1つでもいいので、始めてみましょう。

2024年01月26日