ゲームとの付き合い方について

 「ゲーム障害」という病気を知っていますか?

 WHO(世界保健機関)が定めた正式な診断名です。

 主な診断基準は、

 ・ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない

 ・日常生活でゲームを他の何よりも優先させる

 ・生活に問題が生じてもゲームを続け、エスカレートさせるなどの状態が1年以上続く

 などです。

 ただ、「ゲーム障害」の実態は十分に把握されておらず、対応できる医療機関の少なさも大きな課題となっています。治療ではカウンセリングや運動を織り交ぜながら、少しずつゲームをする時間を減らしていく方法が有効とされています。

 一方で先日、『東大生プロゲーマーになる』という本を読みました。私は正直ゲーマーというと、一人で薄暗い部屋に引きこもってゲームばかりしている、というイメージでした。実際著者も、まずはひたすらゲームをし、受験のシーズンにはひたすら勉強していた日々について書いています。ただ、ゲームや勉強には“正解・不正解”、“勝ち・負け”が必ずある機械的なもので、自分は現実から逃げていただけなのではないか、とも書いています。そして「ゲームにはコミュニケーション能力が大事」「情熱が大事」だとも書いています。最後には、「自分の中に情熱の火種が見つけられない人は、情熱をもつ人のそばにいってみるのだ。自分だけの情熱を見つけたいと思ったとき、とるべき最短ルートは、既に自分だけの情熱をもっている人のそばにいくこと。そういう人は、一目でわかる。燃えているから。」と書いていました。私はそれを読んで、ゲームに対するイメージがくつがえりました。これまで抱いていたゲーマーのイメージと全く違う、熱い思い、“情熱”を感じたからです。

 もちろんこの著者は特別なケースだとは思います。ただ、情熱をもつ人のそばにいってみる、そういう人は燃えている、というのには、私も同感です。

 「ゲーム障害」というものも、上に挙げたような、限度の問題なのではないでしょうか。そして、「ゲーム障害」になってしまっている人に限らず、自分の本当にやりたいことが見つからず困っている、という人は、情熱を持つ人のそばに行ってみる、ということを試してみるのもいいかもしれません。

2022年10月11日