認知行動療法について

 性教育についての話が続いたので、少し休憩して、今回は別の話題、「認知行動療法」という心理療法をご紹介したいと思います。

 認知行動療法は一般的にうつの患者さんに用いられる療法ですが、私たちの身近な生活の場面でも使える、いわば一つの「考え方」です。

 心の中で考えることや、感じること、やることがつながっている、という考え方に基づいています。例えば「自分はダメだ」と思っていると、悲しくなったり、何もしたくなくなったりします。でも、考え方を変えると気持ちも変わって行動も変わることがあります。認知行動療法では、悪い考え方を「本当にそうなのかな?」と考えてもっと前向きな考えに変える練習をします。そうすることで、気持ちが楽になったり、元気に行動できるようになります。

 具体例をあげてみましょう。

 ある小学生が「テストで悪い点を取ったら、みんなにバカだと思われる」と考えているとします。この考えだと、テスト前に不安になったり勉強が嫌いになったりするかもしれません。でも認知行動療法では、この考え方を見直してみます。

 まず、その考えを「本当にそうなのかな?」と自分に問いかけます。例えば、「テストで悪い点を取ってもみんながバカだとは思わないんじゃないか?」と考えます。そして、「次はもっと頑張ろう!」と前向きに考えることができます。

 そうすると、次にテストがあった時に「今回はうまくいかなかったけど、次は頑張ればいい!」と思えるようになり、不安が減り、勉強する気持ちも出てくるかもしれません。

 日常生活でどうしようもなく落ち込むことがあったら、このように考え方を変えてみるのも、ひとつの道です。

 

2025年04月02日